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テイルズ短編集

第5章 【V】貴女は私のモノ アレクセイ


城内にいらっしゃる小柄な方。

エステリーゼ様か、アイリオン。



外に出ると声が先程より良く聞き取れた。

「いいじゃねーかよ、教えろよ、術式」
「そうそ。俺たちはこの帝都を守っているだぜ?帝都を守るためにその天才的な頭で作り上げた術式を教えろ」

「お断り致します」

アイリオンか...。

エステリーゼ様ならすぐにお助けする事が出来るが、アイリオンだと少し状況は変わる。

城の中にはアイリオンをよく思わないものが多い。
城まで出向かずアスピオに篭っていればいい、というのが言い分だ。

地位のない子供が我が物顔で城にいることが我慢できないらしい。


ここでアイリオンを助ければ、そういった者達から不信感を得る。

そうすれば色々とやりづらくなる。


「ちゃちゃっと教えればいいんだよ!」
「痛い思いしたくないだろう」

...考えていても状況は悪化するばかりだ。


「何をしている」

兵士達の前に姿を表す。

「ア、アレクセイ閣下!?」
「し、失礼致しました!!」

慌てて走り去る兵士達。


...これなら余計な誤解は生まないか...?

兵服のマークから所属隊を把握する。

「...珍しいね、アレクセイ閣下」

声のした方向を見るもアイリオンは見当たらない。

「...下よ、巨漢」

視界を下げると地面に座り込むようにアイリオンが居た。

「部下が大変失礼をした。部下にかわり謝罪しよう」

立ち上がられようと手を伸ばす。

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