第5章 【V】貴女は私のモノ アレクセイ
いつもどおり執務を終えるとどっぷりと夜が暮れていた。
アイリオンは起きているだろうか...?
マナの研究のために現在城の図書室に泊まり込んでいる少女だ。
モルディオほど有名ではないが、マナに携わる者にしてみれば知らぬ者はいないだろう。
明るくサバサバしているが面倒見のよい...今はまだ幼いからだからだが将来は良い姉御になりそうな性格だ。
私はあまり自分にとって利益のない女性を意識することは無いのだが、ふと気がつくと少女のことを気にかけている。
アイリオンくらいの子供が居てもおかしくない歳だからだろうか。
「......!」
ん?
声?こんな時間に何をしている。
外から微かに聞こえた。
窓から確認すると木の影に誰かいるようだった。
目を凝らす。
兵士と...小さい影が1つ...。
小さい影を兵士が囲んで、穏やかではない雰囲気だな。
...城内にいる小さい影...まさか...。
私は足早に外へと向かった。