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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第101章 練習の成果



兵長の鋭い視線を受けても、
何も臆することなく
会話を進める凛さんには感動しかない。

今の俺だったら、
こうはいかなかっただろう。


……まぁ、それは兵長に対して
後ろめたいことを色々起こしてしまったから、
というのもあるが。


かなり自然なやりとりに、
その場に棒立ちしたままで聞き入っていた。




「エルド。凛は俺が部屋まで送る。
お前はそんなに酔ってなさそうだが……
一人で戻れるな?」


「は、はい。すみません。
よろしくお願いします。」


兵長に腕を引かれたまま、
若干覚束ない足取りで歩き始めた凛さんに
軽く片手を挙げて見せられ、
釣られて手を挙げる。


凛さんの穏やかな笑顔を最後に、
二人は部屋を出て行った。




兵長から特に何も
問い詰められることがなかった安心感からか、
足の力が緩み、咄嗟に椅子に座り込む。


命懸けで抱く選択を貫いていたら……
いや、凛さんに阻止してもらわなかったら、
今頃俺の息の根は
いとも簡単に止められていただろう。


不意にそんなことを考えてしまい、
大きなため息が漏れ出す。



「……凛さん、やっぱりすごいな。」


つい口を突いて出て来た言葉を
頭の中で復唱し、思わず笑みが零れた。



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