第100章 ●ベッドに入って
「ふふ、怖いね。」
「笑いごとじゃないですからね?」
そう言いつつも、自分の顔も緩んでしまう。
「なのに、こんなことするの?」
「……逆に、ここまでしておいて、
止められると思ってんですか?」
「思わない。
でも、命懸けですることじゃ、ないよね。」
確かに。
兵長の想い人に手を出すなんて、
わざわざ死ににいくようなことを
する必要はない。
もっと手軽にナンパして
女性を抱くことだって出来る。
“ここまでしておいて”
自分でそう言ったけど、普段の自分なら
まだこの程度しかしていないなら、
止められるだろう。
……それでも、
「……今なら、
命懸けでもしたいと思ってしまってるんで。」
こっちが本音だ。
何故かこの衝動を止められる気がしないし、
止めたら後悔する、とまで思ってしまう。
自然と凛さんのベルトに手を掛けた。