第99章 BETWEEN THE SHEETS
「……やっぱりこうなったか。」
エルドは小さく溜息を零した。
夜更けが近付いていた頃。
酔っ払ったグンタとオルオを男部屋へ帰し、
殆ど眠っているに等しいくらい泥酔し、
自分で動く気のないペトラを
引き摺る様にして部屋から出す。
女子寮へ自分が行くわけにもいかないし、
どうしようかと思っていた時、
丁度部屋の前を通りかかったニファに出くわし、
申し訳ないと頭を下げつつ、
ペトラのことを託した。
……あとは凛さんだけか。
部屋に戻ると、
机に突っ伏して眠る凛さんが目に入る。
酔ったらどうなるか分からないなんて、
期待させるような素振りを見せつつ
簡単に眠ってしまい、残念なような、
安心したような、複雑な心境だ。
そもそもこっちが勝手に期待しただけで、
彼女には期待させるつもりなんて、
微塵もなかったのだろう。
凛さんはきっとそんな女性だ。
無防備に寝顔を晒す彼女の横に座り、
そっと髪に手を伸ばした。