第91章 正直に、正直に、
「……凛?」
突然馬乗り状態で俺を見下ろす
凛の表情を見て、
いつもと違う雰囲気を感じ、身体が硬直する。
……怒ってる、のか?
「……凛、どう」
「大丈夫じゃないから!」
「……は、」
「いっつもモブリット、
自分のこと蔑ろにしすぎだからね!?」
「……ご、ごめん。」
迫力に圧倒され、
思わず謝罪の言葉が口を突いて出る。
凛がこんなに激昂している様子を見るのは
初めてだった。
「謝るのは私の方だし、
モブリットは何も悪くないし、
……なのに、話聞いてくれないし……」
一気に声のトーンが落ちる。
今にも泣き出すんじゃないかと思う程、
凛の表情は陰って淀んでいた。
「……モブリット、大丈夫じゃないでしょ?
私がどういう状況であったとしても、
ちゃんと正直に話してよ。」
自分の深層心理を
見破られていたかのような発言に、
思わず身体が少し震えた。