第91章 正直に、正直に、
「凛、やっぱりもう薬の影響
なさそうだね。」
「……確かに。」
以前の自分なら、
こんな状況耐えられなかった。
裸で抱き合うなら挿れてもらう、
それが当たり前のような感覚に囚われていた。
……もしかしたら、本当にその感覚に
囚われていた“だけ”なのかもしれない。
「……それとも、もう俺の身体程度では
欲情できなくなった?」
「まさか!」
声を上げて否定すると、
モブリットは小さく吹き出す。
「そんな焦らなくても大丈夫。」
「だって、本当にそういうことじゃないから!」
「いいよ。連日してたんだから。
そろそろ疲れも出る頃だろう。」
無理矢理に近い状態で抱き寄せられ、
必然的にモブリットの胸元に顔を埋める。
「……まだ早いけど、少し休もう。
最近眠れてなさそうだし。」
「そうだけど、モブリットだって」
「俺のことは気にしなくて大丈夫だから。
……おやすみ。」
優しく頭を撫でられ始めてすぐ、
もう抑えきれそうにない感情が暴発し、
モブリットから勢いよく離れた。