第89章 互いの暴露は突然に
「私も全然問題ないけど、
私が問題ないって言っていいのかな?」
「うーん、いいんじゃないかな。
俺は凛が問題ないって言ってくれた方が
嬉しいけど。」
「じゃぁ問題ない!」
お互い冗談めかした会話だったように思えたが、
どうやら凛は満足したらしい。
さっきの落ち込んだ表情とは打って変わって、
明るい表情を取り戻してすぐ、
また胸元に暖かさが戻る。
「そう言えば、ミケ言ってたよ。
モブリットから
凛の匂いがする時がある、って。」
「……それ、ミケさんくらいしか
気付かないやつだろ。」
「そうだろうね。」
凛が胸の中で肩を震わせて笑う。
匂いについては、やっぱりミケさんは敏感だ。
さすがにそれはハンジさんにも
言われたことはない。