第89章 互いの暴露は突然に
……この展開は、
もう毎度のことになっている気がする。
彼女の行動にも、発言にも、
驚かされてばかりだ。
自分の首筋に縋りついたままの
凛の腰に手を回し、
久し振りの体温を噛み締めるように
強く抱きしめる。
会えなくなって一週間ほどしか
経っていない筈なのに、
もう何年も会えなかったような
焦れた思いが頭の中を占領し、
毎日悶々としていた。
それでもこうして凛の体温を
直に感じることが出来ると、
一瞬にして満たされていくのが分かった。
「……会いたかった。」
今まさに自分が言おうとしていた言葉を囁かれ、
簡単に体温が上昇する。
「それはこっちのセリフだよ。」
そう答えると、
凛にますます引き寄せられ、
そのついでのようにベッドへ押し倒された。