第83章 落ち着かない日
「前にも言ったと思うけど、
私は憲兵団で働く気はないよ?」
「お前がそのつもりがなくても、
こっちはお前が欲しいんだ。」
「随分往生際が悪いな。
何故そんなに凛に執着する?」
リヴァイのその問いの後、
ナイルは視線で周りを見回し、
誰もいないことを確認してから
こっちに顔を寄せた。
「……俺も引き抜くのは無理だと散々伝えた。
だが、重役たちは諦めが悪いんだよ……
取り敢えず、この会議だけ乗り切ってくれ。」
「お前も重役のくせに、
どうにかなんねぇのか。」
「俺が上なのは肩書だけだ。
権限を持った古株はまだまだ腐るほどいる。
歯向かうだけ時間の無駄だ。」
ナイルも色々苦労しているんだろうなぁ…と、
少し同情しつつ、
眉間に皺を寄せたままのリヴァイに
視線を向ける。