第83章 落ち着かない日
週末になり、予定通り
リヴァイと憲兵団の基地へ向かう。
憲兵団の基地内は、
相変わらず落ち着かない。
無駄に装飾された室内も、
至る所に飾られた、
如何にも希少価値の高そうな陶芸品も、
働く上で何の役にも立ちそうにない。
貴族からの贈り物なんだろうか。
ナイルに聞いたこともあるが、
こっちも飾りたくて飾ってんじゃねぇよ、
と端的に一喝され、結局核心を突く答えは
何も教えて貰えなかった。
今日の会議内容が書かれた書類に
もう一度目を通しつつ、
会議室に向かう廊下を歩いていると、
ナイルに出くわす。
リヴァイはすぐに
ナイルの前に立ちはだかった。
「おい。
何か言うことがあるんじゃねぇのか?」
「……久しぶりに会って早々、何の話だ。」
「それはこっちのセリフだ。
何のために
こんなくだらねぇ会議をするんだ?」
「お前が察してる通りだよ。
憲兵の重役の奴らは
凛を引き抜く気でいる。」
予想外にすんなり会議の理由を
教えてくれるナイルに少し目を見張った。