第82章 ズルいも同じ
情事後、すぐに後ろを向いてしまい、
そのまま布団にもぐりこんだ凛を
後ろからそっと抱き寄せる。
布団の上からでも熱い体温が伝わるようで、
心地良さから思わず目を瞑った。
「……モブリットの、ギャップがズルい……」
「……急に何の話?」
「優しい顔してムキムキなのも、
優しいのにする時は野獣なのも、
色々ずるい。」
「……そんなに優しいと思ってくれてるなんて
嬉しいよ。」
「そこに反応するの?」
予想外の返答に、
図らずも、といった様子で
後ろを振り向いた凛の唇を唇で捉まえる。
特に拒まれることもなかったので、
調子に乗ってキスを繰り返していると、
すぐに恍惚さが窺えるような表情を
目の当たりにし、思わず息を呑んだ。