第81章 ●気持ちいい事だけ
……優しくしたい
と言う気持ちしか、今は生まれそうにない。
唇を唇で優しく挟んでは離すことを
繰り返しているだけで、
凛の頬に当てた指先が
どんどん熱っぽくなっていくのが分かる。
「はぁっ…、モブリット、」
「…ん?」
「どうしよう…すごい、気持ち良い……」
「…うん。俺も気持ち良いよ。」
とろんと微睡んだような
恍惚さを浮かべる表情を見て、
心臓の動きが活発になっていく。
こんな顔を見せてくれることが嬉しくて、
もっと見たくなって、
またキスを繰り返しながら
顎から耳裏、首筋から襟足、肩から鎖骨……と、
ゆっくり指先で撫でていくだけで
凛の身体は小さく震える。
弾んだ呼吸は唇を刺激した。