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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第80章 前を見て歩いてゆく



「彼女のことは大切だったし、愛してた。
付き合ってた期間は
そんなに長くなかったけど、
正直結構引き摺ってた……
でも、ずっとそのままの状態では
いられないから。」


引き締まったモブリットの表情を見つめながら、
黙って話を聞く。



「俺は先に進まないといけない。
彼女が死んだからって、
立ち止まることは出来ない。
むしろ、彼女の分まで力を発揮出来たら、
と思ってる。」

頭を撫でる手が止まり、
その手をすぐに握り締めた。




「その為にも、
今自分には凛が必要だと思った。
勿論、調査で力を出す為だけに
凛を必要としている訳ではないけどね。」


「分かってるよ……」


「この二年間、
特に恋人を作ろうとも思わなかった。
必要性も感じてなかった。
……でも今、理性ではどうしようもないくらい
好きな人が出来たんだ。
凛、君に出会えて良かったと
本当に心から思ってる。」


握り締めた手を引かれ、
誘いこまれるようにモブリットの胸に収まる。


熱い体温が全身を伝い、
どこまでも熱が広がっていくようだった。



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