第79章 憶測の共有
「それなら凛の世界に、
俺やエルヴィンもいる可能性がある、
ってことか?」
「私もそれ思った。
まだ出会えていなかっただけで、
どこかにはいるのかも。」
この世界と、私の住んでいた世界の間で
タイムスリップなんて
不可解な現象が起きているなら、
その二つの世界で転生が起きていたとしても、
あまり違和感はない。
ただでさえ、言語や文字など
色々と共通点があるんだ。
エルヴィンとリヴァイの
転生した人物が存在しても
おかしくはないと思った。
「ただ、私の元いた世界はかなり広いからね……
あんな近くにミケやハンジ、
モブリットやピクシス司令までいるのだって
奇跡みたいなものだと思うし。
出会えないまま、っていうのもあると思う。」
「それに凛は元の世界に戻る気は
今のところないんだろう?
それならもし
俺たちも生まれ変わっていたとしても、
凛とはずっと出会えないことになる。」
「……まぁ、そうなるよね。」
エルヴィンの話に頷きながら、
不意にモブリットに視線を向けると、
何かを考えているような
複雑な表情を浮かべていた。