第9章 お礼の方法

「……で。結局おねぇさんは
何者だったわけ……？」

出すモノを全て出しきられ、
憔悴しきった様子でベッドに寝転ぶ彼に
問いかけられる。


何者か、と聞かれても、返答に困る……


「普通の一般市民。」

取り敢えずそう答えてみると、
彼の眉間に皺が寄った。


「……嘘だろ。
何してる人？尺屋で働いてる人？」

「まさか。そんなわけないでしょ。」


「……いや、手だけで
あんだけイかされた俺からしてみると
それくらいしかおねぇさんの適職は
思いつかねぇよ……」

そう言って枕に顔を伏せる彼を見ていると、
やっぱり体がかなり鍛え上げられていることに
気付く。

背筋がかなり発達していて、
見るからに硬そうだ。


それに、この筋肉の付き方には
少し心当たりがあった。