第76章 過去と今の差し替え
「あの二人と肩を並べるに
相応しい女なんていない。
そう思ってる兵士が殆どだろう。
だからこそあの二人がデキてる説が
多く流れている訳だが。」
「……ああ。そうみたいだね。」
最初兵士たちからその話を聞いた時は、
あり得ない!と思ったが、
色々と深く対話しているうちに、
なんだかそれもそれでアリなんじゃないか
と思ってしまう節もあった。
「まだお前があの二人の
“特定の相手”になるには早いだろう。
凛の優秀さはそれなりに
兵団に知れ渡ってはいるが、
まだここに来て日が浅い。
それに、調査で目立った実績を
残している訳でもない。
そんなお前が二人のどちらかの恋人になった
なんて噂が立てば、
冷たい視線を送る兵士だっているだろうな。」
「なるほど……すごい分かり易い説明だった。」
そうだろう。
と白い歯を溢すミケは話を続けた。