第76章 過去と今の差し替え
「それなら結局エルヴィンとリヴァイの
どちらかとくっつくのか?」
「いや、まだそれも分かんないけど……」
何と返答していいか困る問いばかりだ。
それに、気になることもあった。
「ミケ、意外とエルヴィンの肩
持たないんだね。」
「ああ……
エルヴィンとお前が
上手くいけばいいとも思うが、
そうなったらそうなったで、
面倒だとも思うからな……」
「面倒?」
「エルヴィンやリヴァイは、
この兵団では憧れであり、尊敬の象徴だ。」
「……確かにそうだと思う。」
相槌を打ちながら、
団員から深い信頼を得ている二人を
思い浮かべる。
普通にここで生活しているだけでも、
二人の圧倒的な信望の厚さは明らかだった。
「強く、聡く、勇敢で柔軟な思考と
冷静な判断力を持ち、しかも仲間想い。
そんな奴らに特定の相手が出来るとどうだ?」
「……うーん……嫌、なのかな?」
「まぁ、お前は考えにくい立場だろうな。」
ミケは頬を緩め、
頬杖をついてこちらに視線を寄越した。