第76章 過去と今の差し替え
「お前を酔わせて、
色々吐かせる予定だったんだが、
意外と酒の嗜みを分かっているようで残念だ。」
「まぁ、何度も失敗して来たからね。
……と言うか、何を吐かせるつもりだったの?」
「お前、今はモブリットと恋人同士なのか?」
想像もしていなかった質問に、
再びチーズを口に含もうとしていた手を止めた。
「……何で?」
「噂になってる。
ハンジ分隊長の世話が趣味で、
女に興味のなさそうだった副隊長が、
自分の部屋の前で団長秘書のお前と
抱き合っていたと。」
「……見られてたのか……」
「そう言うということは、
抱き合っていたのは事実なんだな。」
「はい……」
「そうか。あのモブリットが。」
ミケの表情はニヤついていて、
それでいてどこか嬉しそうにも見えた。