第73章 心配しないで、の伝え方
「エルヴィンでも、
そんなことになるんだね。」
「……そうみたいだな。」
「他人事みたいに言うね……」
「今の今まで、他人事だと思っていた。」
「いつも私に色々言わせてるくせに、
エルヴィンがあれくらいの言葉で
赤面すると思わなかったよ。」
「……俺もだよ。」
エルヴィンは両手を顔から離す兆しが
全く見られない。
このまま熱が引くまで
こうしているつもりなのか……
それを待つだけなんてつまらないし、
何よりズルい。
なんてことをふと思い、
エルヴィンのシャツのボタンに手を掛けた。
「凛?」
「いや、この時間が勿体ないなぁと思って。」
「……だから脱がせてるのか?」
「手が顔から離れないから、ボタン外すだけ。」
そう言ってすぐ、ボタンを外し終え、
垣間見える、火照った熱い胸板の先端に
キスを落とした。