第71章 繋がる日
「それにしても、
何で今回はこんな場所で
抱き合うことになったんだ?」
いきなり話題を元に戻され、
一瞬口籠るが、
「モブリットが可愛い顔をしたので、
つい抱き着いてしまいました……」
と、正直に事実を述べる。
「……何だ、その行動原理は。
俺も可愛い顔をすればいいのか?」
「エルヴィン、そう思って意図的にするのは
ダメなヤツだからね……」
ふとモブリットに視線を向けると、
必死で笑いを堪えていて、
その様子もまた可愛いと思ってしまう。
「モブリット。
多分今のは笑っていい場面だから
堪えなくても大丈夫だよ。」
「モブリットは前3人で話した時くらい、
いつも素を出してくれていいんだけどね。」
「……すみません。凛と一緒だと
団長の意外な一面を見られるのが嬉しくて。」
「俺も君がそうして
笑う姿を見られるのは嬉しい。
今は仕事中ではないから、
緊張感はいらないよ。」
エルヴィンの表情は柔らかく、
モブリットに安心感を与える。