第68章 火花飛び散る会話
「……なんか、この間会った時より
二人の距離感が近い気がするんだけど。」
「なっ…、」
「そうだろうね。同じ基地で働いているし、
……まぁ、それなりに色々あるよ。」
焦る声を出す私とは対照的に、
モブリットの声色は余裕に満ちている。
と言うより、
ジャンを挑発しているようにも思えた。
「モブリットさん、意外と結構
焚き附けてくるタイプなんですね。」
ジャンはフッと息を漏らし、
モブリットに鋭い視線を送る。
「君も早く訓練兵団を卒業して、
調査兵団へ入団したらいいじゃないか。」
このタイミングで勧誘するのか!
と、にこやかに話すモブリットを見て
妙な感心が湧き出した。
「いえ。俺は憲兵団に入るつもりなんで。」
「凛と同じ兵団じゃなくていいのか?」
「死んだら元も子もないですからね。」
……なっ、なんて辛辣な……!!!
思わずジャンの口を塞ごうとするが、
モブリットが肩を震わせて
笑い始めたのを見て、手を止めた。