第67章 甘い時間
「大した経験もしてないし、
女性を抱くのも凛が2年振りだよ。
……だけど、」
耳元に近付いた唇から、
優しい吐息が零れ落ちる。
「凛だから、
色々いやらしいことが出来るんだと思う。」
「……それって、
私だったら色々やりやすいってこと?」
「言い方が悪いね。
凛のことがすごく好きだから、
色々な可愛がり方をしたいと思うってこと。」
もう何度も言われている筈の“好き”でも、
やっぱり嬉しくて恥ずかしくて、
どうしても顔に熱が集まってくる。
「凛の気持ち良さそうな声や顔が
堪らないんだ……
もっと感じてもらいたいと思って、
自分でも驚くくらい積極的に抱いてる。」
モブリットの耳もまだ紅潮したままで、
不意に唇で刺激した。
「……モブリット、真っ赤だよ。」
「凛も大概赤いけどね。」
頬に滑らされた唇は、優しい熱を持っていて、
とても心地いい。
不意に甘く絡んだ視線は、
決して逸らされることはなく、
そのままそっと唇が触れ合った。