第67章 甘い時間
気が付いた時には、
もう朝だと分かるくらい、
日の光が窓から部屋に入り込んでいた。
今回は、寝落ちした、と言うより、
気を失った、と言っていいだろう。
それでもそのお蔭で、あんなに泣き腫らした
次の日なのにも関わらず、
頭はスッキリとして、
十分に休息した心地がした。
「凛、目が覚めた?」
「うん。予想に反して、
めちゃくちゃよく眠れたよ。」
「良かった……」
本当に安堵していると分かる表情で
頭を撫でられ、
私まで強い安心感を覚える。
「モブリット、わざと、でしょ?」
「……何が?」
「……分かってるくせに。」
モブリットの額を指先で軽く弾く。
小さく声を漏らして笑う姿が可愛くて、
思わず強く抱き着いた。
「そうでもしないと、
昨日は本当に眠れないだろうと思ったから。
……乱暴にしてごめんね。」
「……モブリット、
本当に色々と手練れ過ぎで
びっくりするんだけど。」