第8章 救世主……?
「……なぁ。
俺がどこに付き合えって
言ってんのか分かってて、
そんな呑気な事言ってんの?」
「……それは、デートのお誘い?」
当てずっぽうで問い返してみると、
私の手を握ったままの彼は、足早に歩き出した。
「ちょっ……、待った、どこ行くの?」
「“デート”だよ。
お礼のデートに付き合ってくれるんだろ?」
絶体絶命の場面で助けてもらっておいて
何のお礼もしない訳にもいかないだろう……
どうせ暇だし、
デートくらいなら付き合ってもいいか。
我ながら相変わらず能天気だと思いつつも、
彼に手を引かれるがまま、後に続いた。