第62章 我儘でも、自分勝手でも、
最近積極的に
行為に誘ってくれるエルヴィンは、
自分で言っていた通り、
本当に何かから吹っ切れたように見えた。
調査前、
頑なに拒否していたエルヴィンはもういない。
何故あの時あんなにも
身体を重ねることを嫌がっていたのかは
未だに分からないままだけど、
今、こうしてエルヴィンの体温を
直に感じることが出来るなら
もう分からないままでもいい。
そう思っていた。
「相変わらずのテクニックに感動するよ。
あっという間に完勃ちしたんだが。」
「……そういうこと、
恥ずかし気もなく言うのやめてよ。」
エルヴィンが突然卑猥な言葉を
発することは多々あるのに、
まだまだ慣れることはなさそうだ。
窮屈そうなボトムスに視線を落とした後、
ふと執務机に目がいく。
「……随分綺麗な御嬢様の肖像画だね。」
目に映った物の感想を正直に述べただけだが、
エルヴィンの動きは一瞬止まった。