第61章 ちょっとしたスリルとサービスを
この状態で部屋を出れるのか?
かなり厳しいだろう、と思いつつも、
バレる覚悟で、だが慎重に
クローゼットの扉を開ける。
が、意外に気付かれない。
それだけ凛は
エルヴィンに夢中だということか。
それもそれで、こっちが今まで
ムラムラしながら待ってた意味がなくなる。
……いや、意味はあったか。
ついニヤついてしまいながらも、
抜き足で部屋の扉の前まで歩く。
扉の前に着いた時、視界が広くなったせいで、
つい凛のキス顔を見入ってしまっていたが、
エルヴィンにしつこく部屋の扉を指差され、
そっと扉を開き、部屋を出た。
「……いつまで見ている気だったんだ。」
エルヴィンはつい、
呆れたように小さく呟く。
「……ん?」
「いや、なんでもないよ。」
優しい声色で言った後、
すぐに愛撫を再開した。