第60章 詰問、詰問、からの証拠
「それに、多分お前の“好きな女”は、
そのことを気にしていない。
……いや、気にはしているだろうが、
それ以上にそのことを理解している。
だろ?」
「もうお前にどんな反論をしても無駄だな。
どうしても凛のことが好きだと
言わせたいんだろう。」
「別に言わせたい訳じゃないが……」
「むしろお前がそうだと思うなら、
凛に余計な手を出すことは
やめて欲しいんだが。」
その時、部屋のドアをノックする音が
部屋に響いた。
「エルヴィン団長。凛です。
今お時間宜しいですか?」
「……ナイル、
お前はあそこにでも隠れていろ。」
エルヴィンは小声でそう言うと、
ナイルの肩を押し、クローゼットを指さした。
「……は?何で隠れないと」
「証拠を見せるよ。
それでお前は納得するんだろう?
“それを見て”色々理解したなら、
もう凛にやたらと関わるのは止めろ。」
エルヴィンはナイルに発言権を与えないまま、
ナイルを無理矢理クローゼットの中に押し込み、
扉を閉めた。