第60章 詰問、詰問、からの証拠
「……そんな脅すようなこと言う?」
「脅しじゃねぇよ。
情事を楽しむ方法の一種だろ?」
モブリットが赤面する様子を
目の端で確認しながら、
「そんな楽しみ方したくない……」
と、自分でもか細いと思ってしまうような声で
反論する。
「それより、
今脅されてるのはナイルだろ。」
「……ナイル?」
「団長室から小一時間出て来ねぇが。
あいつが部屋から出てくるときに、
原型を留めていたらいいんだが。」
リヴァイが冗談めかして言った言葉さえ、
現実になる恐れがありそうな気がして、
焦りが足に伝わる。
「ちょっと団長室行ってくる!
モブリット、本当にありがとう!」
駆けだした足はそのままに叫ぶように言うと、
団長室へ急いだ。