第59章 もしもその時が来たとしたら
「凛、昨日は大丈夫だった?」
いつも書類を纏めるのに使っている会議室に、
モブリットの心配そうな声が響く。
「ああ……まぁ、大丈夫ではなかった。」
自慰を指導され、心を揺らがされ、
夜遅くまで何度も身体を重ね、
結果、当然の如く今日も寝不足だ。
エルヴィンから自慰の仕方を教わるだけ、
だなんて、まぁ最初から無理な話だと
自分でも思っていた。
「……ごめん。
さすがにマズイところを見られたからな……」
「モブリットが謝ることないよ。
エルヴィンの言う通り、私から仕掛けてるし。」
「でも毎回凛に仕掛けられてるのも、
男として情けない……」
「そう?それでも
その気になった時のモブリットは
凄まじく男らしいからいいじゃん。」
「仕事中にこういう話はやめよう!」
「モブリットから聞いてきたのに?」
顔を覗き込むと、既に耳元が赤い。
私も大概顔に出やすいが、
モブリットもなかなかのものだ。