第55章 流れるように自然な誘惑
「今日は殆ど資料も纏め終わったし。
凛はそろそろ休んだ方がいいよ。」
「……モブリットは?」
「俺はもう少しする。」
「……じゃあ私も一緒にする。」
「そんな状態なのに何言ってるんだよ……」
モブリットは呆れたような口調だけど、
表情はいつもの柔らかさのままで
そっと頭を撫でられただけなのに、
深い安心感が身体を包み込む。
「モブリットと一緒に寝たい。」
「……俺が今日我慢できるとは限らないよ?」
「いいよ。初めからそのつもりだし。」
そう言ってモブリットの顔を覗き込むと、
モブリットの耳元は
簡単に赤みを帯びていった。