第53章 誘惑の仕方
「取り敢えずリヴァイが
洗えなさそうなところは洗えた。
どう?満足した?」
「おい、満足してねぇこと
分かってて言ってんな?」
ふざけた感じで問いかけてみたのを
簡単に察知され、
本日二度目の頬掴みの刑に処される。
頬から手が離れたところで、
正面に向いたリヴァイの
念入りに鍛えられた胸板に、
自然と視線が集中した。
「……じゃあ、どうする?前も私が洗う?」
「当たり前だ。」
石鹸を手渡され、再び泡立て始める。
なるべく下半身は見ない様にしているけど、
内心気になって仕方ないし、
もうこんなの、私からしてみれば生殺しに近い。
……いや、リヴァイからしても、同じか。
そう思った途端、
何だか積極的に洗える気がしてきた。