第51章 尋問は正直に
「さて。君が基地に残った理由を
聞かせてもらおうか。」
次の日。
団長室のソファーにはエルヴィン、
その向かいにモブリット、
そしてその隣にはリヴァイが座り、
完全に包囲された状態で、
傍から見ればモブリットへの
尋問のようなものが行われていた。
怪我人や医師、料理人は
兵団が調査に出ている間は
留守を任されていたり、
帰る場所がない場合を除き、
故郷に戻るよう指示されている。
「……私は兵団が調査中のことについて
特に指示されていなかったので、
私の判断に任せる、
という意味だったのだと解釈していました。」
「ほう……
モブリットもそんないい訳が
出来るようになったのか。」
「いや、いい。確かにその通りだ。
君の判断に任せようと思って、
特に何も指示をしなかった。」
むしろナイルのことについて
指示してしまったくらいだからな、
と、エルヴィンは小さく息を漏らす。