第50章 大好きだから、
「大丈夫。“今日は”しない。」
「……なるほど。」
少し納得してくれたのか、
ゆっくり瞼を閉じる姿が目に映る。
きっと相当疲れている筈だ。
それに、団長の部屋から飛び出して来たのなら、
いつものように“した後”に、
眠ることは出来ていないのだろう。
「……“今日は”だからね。
……またしようね。」
寝惚け眼で呟くように言われ、
一気に熱が上がってくる。
片想いをしている相手に対して無神経だ!
なんてことを思うタイミングなんだろうが、
そんなことは全く思わない。
思わせぶってくれればいい。
散々思わせぶられた先にフラれても構わない。
そんなことより、
今、こうして彼女を抱いて眠れることが、
自分にとっては何より大切だった。