第49章 一番長く、苦しい夜を
「ごめん、分からない訳じゃないけど、
今、モブリットを
一人にはしておけないよ。」
「……モブリットは、調査中、
ずっと基地に残っていたのか。」
エルヴィンのその一言で、
モブリットの思いをまた一つ知り、
思わず小さく息が漏れる。
「そう。だから私も、
支えてもらった分を返したい。」
「本当にそれだけか?」
「……どういう意味?」
「俺が今、いくら引き留めても、
凛の気持ちは変わらないのか?」
質問に質問を重ねられ、少し戸惑うが、
「これは団長命令でも応えられない。」
それだけ答え、腕が解放されてすぐ
服を全て着終え、部屋を出た。