第40章 好きの種類
「申し訳ありませんが、
凛とナイル師団長を
二人きりにすることは
エルヴィン団長から止められています。」
……いつの間に
そんなことを言われていたんだ。
凛とナイルは同時に同じことを思う。
「……お前が黙ってれば
バレないんじゃないのか?」
「すみません。
私も嘘は吐けない性分でして。
もしそのことがエルヴィン団長に知れたら、
ナイル師団長も
只では済まされないと思いますが……」
「……随分しっかりした副長だな。」
ナイルはエルヴィンに
また問い詰められることを考え、
少し気分が重くなる。
「じゃあ、モブリットも一緒なら
いいんじゃない?」
「いや、自分は」
「もうそれでいい。副長も一緒に来い。」
ナイルは面倒くさそうに
モブリットの声を遮り、
凛の提案を採用すると、
いきつけの店の方角へ歩き出した。