第40章 好きの種類
「本当にお前は……
思わせぶりな態度が過ぎるだろ。
エルヴィンも心配になる訳だ。」
「……エルヴィン団長から何か聞いたの?」
凛はナイルの顔を覗き込む。
「……特に何も聞いてねぇよ。」
「ナイルも結構顔に出るタイプだよね。」
凛にクスクスと笑われ、
ナイルはうるせぇと言いつつも
釣られて笑みを溢す。
「それよりお前、
これからどっか行くのか?」
「ううん。今晩御飯食べ終わったから、
これから帰ろうと思って。」
「なんだ。
せっかく束縛してくる奴がいなくて
羽を伸ばせるのにもう帰んのか?」
「うーん。そうだね。勿体ないけど。」
凛がナイルに調子を合わせて
そう返事をすると、
「これからいきつけの店に
呑みに行くつもりなんだが、
お前も来い。」
ナイルはそう言って凛の腕を引いた。
が、その腕をモブリットに掴まれ、
動きを止めた。