第40章 好きの種類
「……心揺らがされるような出会いが?」
「そう。団長や兵長以外にも。」
思わず名指しをしてしまったが、
言い返してこないところからして、
きっと凛はこの二人を
特別に想っているんだろう。
まぁ、それは凛がこの世界に来て
早々に分かっていたことだけど。
「そうかも知れないね。」
そう言った凛の横顔は、
どこか寂しそうにも見える。
その表情の意味が分かるのは、
いつになるんだろうか。
俺にも分かる日が来るんだろうか。
何にせよ、分からないまま
凛と離れることは避けたい。
今はただ、それだけを考えていた。