第39章 再会の意味
凛にいいように挑発され、
色々やられっぱなしで腹の虫が収まらない。
いや、別に腹が立つとか、
胸糞悪いとかいう訳ではなく、
こうやって毎回会う度に、
凛のペースに巻き込まれるのは
男としてやりきれない。
思えば出会った時から、
ずっとこいつのターンな気がする……
その時、凛のペースを乱せそうな話題が
ふと頭を過った。
「そうやって人の事ばっか
弄り倒して来るけどな、
凛こそ、団長とどうなんだよ。」
「……団長って?エルヴィン団長?」
明らかに顔色が変わる。
やっぱりあの噂は本当だったのか?
いい機会だし、確認してみるか……
「最近こっちでも話題に出てるぞ、
お前のこと。」
「なになに、優秀な秘書が入ったって?」
そう冗談めかしてニヤつく凛は、
既に元の顔色に戻っていた。