第34章 ●リヴァイの衝動
凛は朦朧としていく意識の中で、
どうにか気を保とうと、同時に、
自分の今の状態に気付いてもらおうと、
しがみ付いているリヴァイの首筋に
出来る限り強く噛み付いた。
リヴァイはピタリと動きを止め、
大きく息を吐く。
凛は動きの止まったリヴァイを、
残り少ない力を振り絞って
すかさず強く抱きしめ、
これ以上無理だと言う意思表示をする。
「……っ、ん、……、リ、ヴァイ、」
「……はぁ…悪い。」
息を切らしたリヴァイは
もう一度大きく深呼吸をし、
凛を力強く抱き返した。
「……悪かった。」
「……いや、そもそも……私が、悪いし、」
言葉を発しようにも上手く呂律が回らず、
それより酸素を取り込みたくて仕方がない。
自分の意思を最後まで
言葉にするのは難しそうで、
ここまで言えばわかるだろう、
というところで故意に言葉を止める。
「お前をこんな風に抱くつもりはなかった。」
リヴァイの声には
本当に謝意が込められていて、
項垂れた頭は、自分に頭を下げ、
謝って来ているようにも見えた。