第33章 リヴァイの感情
喋ることをやめ、
強引な行動もとらなくなった凛の頬に
できるだけ優しく唇を落とす。
内心は激しく抱きたい感情が
渦巻いているが、
それ以上に今はこいつの弱った心の奥を
どうにか解放してやりたかった。
エルヴィンと何があったのかは知らないが、
凛がここまで
思い詰めたような表情をすることは
エルヴィンが“団長に戻った”証拠
なのかもしれない。
エルヴィンにしては時間がかかった方だ。
もっと早くに凛を手放すと思っていた。
調査間際にならないと
エルヴィンが決断できなかったのは、
きっとそれほどまでにエルヴィンも
凛を求めていたからだろう。
閉じられている凛の瞼にそっとキスをし、
目を開けることを促した。