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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第32章 エルヴィンの感情




凛に手を握られてから
まだ数秒しか経っていないのに、
それだけで既に熱が
下半身に移動したがっている。

この生理現象は仕方がない。

いや、諦めたらいけないんだろうが、
もはや制御不能なもので、
自分でもどうしようもなかった。



握られた手は凛の口元まで引き寄せられ、
自然と唇が触れる。

とっくに滾っていた血液が
ますます自分の理性を崩しにかかる。


……確信犯か?


気を紛らわそうと逸らしていた視線を、
そっと正面に移すと、
目を瞑り、何かを祈っているかのような状態で
自分の手を握る凛が目に留まった。



“充電”の意味は凛の世界で学んだばかりだが、
こうしていると
自分が充電されているように思える。




「ありがとう。元気出た。」

そう言って手を離し、
そっと目を開けた凛を見て、
自然と自分の表情筋が緩む気がした。

最近調査前の厳しい訓練が続いていたせいで
険しい表情しかしていなかったが、
凛と居ると身体も心も安らぎを感じられる。


「こっちこそありがとう。
俺も充電してもらったよ。」

正直な謝意を表すと
凛の緩んだ頬にそっと手を当てた。

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