第30章 女慣れした新たな仲間
「いや……、まずいとは思うけど、
実際そんなに焦ってない。」
「……何で、ですか?」
「だってエルド最初に言ってたでしょ?
“兵長の想い人に手は出しません”って。」
凛はそう言うとずっと気になっていた
エルドの軽く束ねられた金髪にそっと触れる。
想像していた通り、滑らかで柔らかい。
エルヴィンの金髪より、
少し繊細な手触りがした。
「そう思ってるくらいだから、
これ以上はないと思う。それに」
エルドは穏やかな声で話し始めた凛の方に
視線を向け、
「エルドは合意の上でしかしないタイプ、
の、モテる人じゃない?」
そう言った凛の発言で
小さく吹き出した。
「凛さん、
俺のこと兵長から何か聞きましたか?」
「うーん、班で一番女の扱いが上手いとか、
口が達者……とかって聞いたかな。」
「それだけの情報で
俺が無理矢理女性を犯さないと」
「思うよ。」
凛はエルドの発言に付け加える様に言った。