第29章 依存
「リヴァイみたいにクセになったら厄介だ。」
再び寄り始めた眉間のシワを手で伸ばすと、
ふとエルヴィンとリヴァイのことが頭を過る。
完全に死んだと思われた2人が
突然戻ってきたときは、
激しい興奮で胸がぞくぞくと躍った。
その上“タイムスリップ”
していたと言うのだから、
ますます胸の内が沸き返ってしまっても
仕方ないだろう。
おまけに2人がまるで違う人間になっており、
その原因を作った女性まで
一緒に飛ばされてきた。
これはきっと15m級の巨人で
実験するときと同等、
いやそれ以上の狂熱を抱くことである。
まだ15m級の巨人実験はしたことがないから
言い切ることは出来ないけれど。
気持ち的にはそれくらい浮足立っている。
それでもエルヴィンもリヴァイも、
巨人が関わる話になると
前と変わらぬ表情に切り替わり、
そこは相変わらずだと落胆も安心もした。