第28章 互いの要件
「それはそうとして、ミケのことだ。」
「お前が急に話をそらしたんだろうが。」
「ミケは確か恋人がいたはずだろう。
しかも互いにかなりベタ惚れで
仲睦まじかった記憶があるんだが。」
エルヴィンはリヴァイの
正当なツッコミを無視して問いかける。
「そのことか……
どうやら俺たちが“飛ばされてる”うちに
フラれたらしい。」
「はっ……
あれだけ仲良くやっているように見えたのに
分からないものだな。」
つい苦笑が漏れ出したエルヴィンに、
「憲兵の幹部の奴に女が気に入られたんだと。」
と、リヴァイはため息まじりに答えた。