第27章 避けられない相手
「……図星なんだな。」
少し頬を緩ませたミケを垣間見ると、
懐かしくて、
じんわりと暖かい気持ちが込み上げる。
御食も同じ顔で、
同じように柔らかい表情で笑っていた。
たまに見せるその優しい表情が見たくて、
無理矢理にでも笑わせようとしたことも
あったくらいだ。
ぼんやりとミケの緩んだ表情に
見入ってしまう。
「その様子だと、
お前の世界にいた俺に似た奴は
相当悪い奴だったようだな。」
「いや!悪い奴とかじゃなくて!」
「会うと気まずい気持ちになる奴ってことは、
お前にとってあまり好きな人間ではない
ってことなんじゃないのか?」
「好きな人間じゃない……
って訳ではなかった。」
そう答えた次の瞬間、
頬に暖かい感触が伝わった。