第27章 避けられない相手
「そうは言われてもね……
なかなか自然に接するのは難しいんだよ。」
「だろうね。
でも彼は何故君に避けられているのかが
分からないからな。」
「私、そんなに避けてるように見える?」
「見えるよ。俺やリヴァイ、
ハンジにでも分かる位には。」
エルヴィンは頬杖をつくと、
上目遣いに近い形でこっちに視線を送ってくる。
思わず碧い瞳に目を奪われそうになるが
咄嗟に視線を逸らした。
仕事に追われる生活が続き、
疲れているであろう姿の時ですら、
エルヴィンがその態勢を取るだけで
フェロモンを撒き散らされている気になるから
不思議だ。
「……なんか悪いことしてる気分に
なってくるね……」
「まぁ仕方ないとも思うが。
それでも仕事に支障が出るのは不本意だろう?
早く慣れるのが彼の為でも
君の為でもあるんじゃないのか?」
「……その通りだと思います。」
どうしても漏れ出してしまった溜め息に反応し、
笑い声を漏らすエルヴィンに背を向け、
受け取った書類を手に団長室を後にした。