第26章 本当の望み
「いくらナイルが凛を気に入ったとしても
凛がここに居たいと思っている限り、
凛を調査兵から
憲兵に引き抜くことはできない。
その事実だけじゃ不満か?」
「……いや。」
「ならその不機嫌そうな顔をなんとかしろ。
第一、ナイルなら安全だと言い張って、
あいつらを二人きりになれるように
仕向けたのはお前だろうが。」
リヴァイは徐にエルヴィンの鼻を抓むと、
乱暴に横に振った。
エルヴィンは小さく息を吐いた後、
「……リヴァイ。今日はよく喋るな。」
と、鼻を抓まれたままニヤリと笑う。
「お前がそんな様子だからだろうが。」
「励ましてくれているのか。」
「バカいえ。」
即答したリヴァイはエルヴィンの顔を一瞥し、
足早に歩き出した。