第26章 本当の望み
「凛。」
基地の方から声がして後ろを振り返ると、
ゆっくりとこっちに向かって
歩いてくる人影が二つ。
暗くてハッキリ見えなくても、
それが誰かはすぐに察しがついた。
「団長と兵士長が、
わざわざ秘書を迎えに来たのか?」
凛の横に並んだエルヴィンとリヴァイを見て、
ナイルは呆れたような顔で言う。
「大事な秘書だからな。
最近では彼女がいないと、
書類を纏めるのも一苦労なんだよ。」
エルヴィンはナイルの視界に入らないように
凛の背中をそっと摩った。
「随分長かったじゃねぇか……」
「はい。頑固な師団長の説得に
時間がかかったもので。」
「頑固なのはお前の方だろうが!」
リヴァイの問いに答える凛に、
ナイルは素早くツッコミを入れる。