第26章 本当の望み
「だから出来る限り二人の力になりたいんです。
調査に出られるような体力も技術もない自分が
二人にその恩を返せるようなことが
出来るとは思いませんが、
自分に出来ることは全部やりたくて。」
いつの間にか凛の身体の震えは
止まっていて、
声も決意が窺えるような明瞭さがある。
凛の身体が熱く感じるのは、
血気に満ちている証拠だろう。
「でも勿論、最初に言ったことも本音です。
調査兵団の実態を知り、
兵士たちの強い志に深く感銘を受けました。
だからこそ、こうして身体を張ってでも
資金調達に漕ぎ着けたいんです。」
凛はそう言ってナイルを
真剣な表情で見つめた。